1. 会社を休眠させる
あまり費用のかからない一般的な方法です。休眠とは会社を法的には存続させておきながら(登記簿上は残しておきながら)会社の機能を一切停止させることです。休眠中は一切の活動を行ってはいけません。
預金口座が動いている、看板が揚げてある、名刺に会社名が記入してある等の場合は、休眠とはみなされません。
休眠の手続きはいたって簡単です。税務署、都道府県税事務所、市役所に「休眠届」を提出すれば手続は終了です。
なお、将来もう一度、会社で営業したい場合は復活すればよいのです。
2. 休眠中の手続き
休眠中も形式的な税務申告と役員変更登記は必要です。特に税務申告がない場合は青色申告が取り消されます。
そこで、休眠中も細々と会計事務所や当社と付き合っておく必要があります。また、都道府県と市町村への均等割税額の納付が必要となります。但し、自治体によって休眠中は均等割税額が課税されないことがあります。
3. 休眠会社の整理(解散とみなされる場合)
株式会社は一定期間が経過すれば(最長10年)、必ず役員変更登記が必要です。最後の登記から10年が経過しても役員変更登記がない場合には、解散したとみなされてしまいます。但し、一定の期間内に所定の手続きをすれば解散は免れます。
4. 休眠中の会社の所在地
賃貸ビル等で営業をしている会社が、そこを引き払い休眠するケースが目立ちます(代表者の自宅に引きこもる)。会社が登記されている限り、役所や金融機関等から郵便物が送付されることが通常です。
郵便物の転送は一定期間で終了しますので、できることならば休眠と同時に所在地を自宅等郵便物が確実に届く場所に移転させることが望まれます。
5. 税金の滞納がある場合
休眠届を提出しても滞納している税金の納税義務は消滅しません。税金の滞納がある限り、休眠すること自体できません。納税資金を捻出するために、営業活動を続けなければならないからです。
6. 個人事業者としての事業開始
必ず、税務署に個人事業者としての「開業届」を提出して下さい。「法人は休眠させ個人事業者で」と言っておきながら、個人では無申告のケースが目立ちます。税務署はこのようなケースについて、かなり目を光らせている模様です。